NADiff GALLERY





伊東篤宏 Atsuhiro Ito
PAINT & COLLAGE WORKS 2010


2010年11月5日[金] - 12月5日[日]



11/5[金] Opening Live & Talk
-Opening Party (1F) 19:00 - 20:00
-Live & Talk (4F) 20:00 - 22:00 / Charge ¥1,500(1d)
出演:中原昌也(Hair Stylistics)+伊東篤宏  >> 詳細

11/6[土] Talk Event
1F/19:00 - 21:00
出演:畠中実(ICC)+窪田研二(インディペンデント・キュレーター)+伊東篤宏
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11/23[火・祝] Talk Event
1F/18:00 - 20:00
出演:アート倉持+五所純子+伊東篤宏  >> 詳細

12/4[土] Live & Event
ライブ・シルクプリント制作&即売会(Tシャツ&CDRジャケット etc...)
1F/15:00 - 20:00
出演:河村康輔(ZAIDE)+伊東篤宏  >> 詳細


伊東篤宏は1965年生まれで、国内外で活動する音響アーティスト、OPTRONプレーヤーとして知られています。
自身は多摩美術大学・大学院(日本画専攻)出身であり、いわゆる絵画の制作、発表も多数行ってまいりました。
美術作家として90年代より蛍光灯を素材としたインスタレーションを制作。技巧的な要素やマチエールが取り除かれていき、ミニマルな空間構成と作品設置に興味が向かっていきました。
その延長で、98年に蛍光灯の放電ノイズを拾って出力する「音具」OPTRON を制作、展覧会会場などでライヴ演奏を開始し、現在では様々なタイプのサウンド・パフォーマー達やダンサーとの共演、コラボレーションを多数行い、国際フェスにも数多く招待されるなど、音響パフォーマンスの発表が立て続いております。
このようにサウンド・アーティスト、パフォーマーとしての活動で脚光をあびておりますが、自身の出自でもあり、重要な表現手段であるヴィジュアル表現に立ち戻る契機がここのところ散見されていました。

コラージュ、デジタル表現だけではなく、描く、塗る、拭く、貼る、はがす、消す、複写する、というような紙の上の手作業への回帰です。
そこに立ち現れるイメージ群・手作業の痕跡は、形象の溶解とともに決定的な何かに照準を合わせます。ことばで言い表しがたい、いわば“憤怒”のようなモクモクとしたものです。
いわゆる“スカム”に通じる表現であり、エログロとナンセンスのコラージュとその消去として、それは幾重にも重なり混然としながら紙の上に物質として対象化されます。
そこには伊東の爆音音響表現にどこかで通底するものがあるように見受けられます。
ひとりで深く深く内省していく方向の手作業を通じて、結果、時代への“憤怒”が暴発してあふれ出ている、と言えるのではないでしょうか。
伊東篤宏を知っているものにとっては驚愕しつつ納得の、未知のものにとっても驚愕の拒絶反応も引き起こしかねない、表現者としてリスクの高い作品群の発表となります。

今回ナディッフ・ギャラリーでは、こうして出来た平面作品群と一部オブジェや立体で構成した空間をつくりこみ、また、毎回ゲストを招いた連続トークイベント(サウンドパフォーマンスもあり)を行い、多様な出力をもつアーティストを多角的にご紹介したいと思います。どうぞお楽しみ下さい。


協力:SNOW Contemporary



私は1994年まで、主に平面作品(ペイント、コラージュ〜複写、等、)を制作していましたが、95年頃から自身の興味が、素材の1つであった蛍光灯をメイン素材にした光と音を伴うインスタレーションの制作に移行するに伴い、実空間と具体的な物質を相手に作品を制作〜発表する様になり、またそれと並行して自作音具 OPTRONによるライヴ・パフォーマンスが自身の活動のメインになっていきました。
結果として今日に至るまでの約15年間、公の場で絵画やコラージュの作品を発表していません。
つまり今回の展示は約15年ぶりのペイント&コラージュがメインの作品展となります。
あくまでも近年感じている個人的な感覚でしかありませんが、私の中で、描いたりコラージュをしている時と、蛍光灯等を素材に展示作品としてインスタレーションを制作する事に、感覚的な違いがはっきり出て来つつあります。
それは、サイト・スペシフィックなインスタレーションや、その素材として使用する具体的な物質(例えば、蛍光灯。)から生まれる物理的な制約が、私自身のイメージ(またはイリュージョン)を制限する事が多々あっても、描いたりコラージュをする行為自体から生み出されて来るイメージ(またはイリュージョン)には、私自身で「上がり」を設定しない限りは(本当に良くも悪くも)際限がない、という感覚の違いです。
そしてその制作行為とイメージの「際限のなさ」、こそが今の私の制作に於ける重要な部分に思えます。(それは約15年前に一度、封印し、忘れかけていた感覚でもあります。)
そこには私自身の、いつの間にか身に付いた『社会性』を含めた「癖」、と自分自身では上手く把握出来ない「内的衝動」、が制約が少ない分、より大きく関わっている様に感じます。
今再び、その「際限のなさ」の迷宮に踏み込み、切り貼りしては描き、複写する(またはその逆)行為を闇雲に続けています。
- 伊東篤宏




Profile

伊東篤宏 / Atsuhiro Ito
http://www.gotobai.net/



■主な個展
2009
「V.R.」(Solo Exhibition & Live performance) 原美術館、東京

2008
「アライヴ アート祭り!! Vol.3」(Solo Exhibition + Live Performance / Sound & Object)Bank ART・NYK hall、横浜、神奈川

2006
「Umber」(Solo Exhibition & Live performance)キッドアイラック・アートホール、東京
「R.G.B-.Kyoto’06」(Solo Exhibition & Live performance)Shin-bi、京都

2005
「Na・Ri・Ka・Na・De・Mi・Ru・Ya・Mi・Yo・Mi」(Solo Exhibition & Live performance)アーツアポリア、大阪
「OTO (part1)」(Solo Exhibition & Live performance)Konstakuten、ストックホルム/スウエーデン

2002
「AUDIBLE VISION 1913 / 2002」(Solo Exhibition & Live performance)多摩美術大学美術館、東京


■主なグループ展
2009
「ENSEMBLES 09 / 隙間だらけの音楽装置」旧 錬成中学校、東京

2006
「目眩の装置」川崎市市民ミュージアム、神奈川

2004
「六本木クロッシング / New Visions Contemporary Japanese Art 2004」森美術館、東京
「デジタル サブライム / マスター オブ ユニバース」(Group Exhibition & Live performance)台北市現代美術館/台湾

2002
「Media City Seoul 2002 / メディア シティー・ソウル 第二回ソウル・インターナショナル メディアビエンナーレ」ソウル市美術館/韓国

2001
「OP-TRANCE!」(Group Exhibition & Live performance)KPO キリンプラザ大阪、大阪


■音楽・パフォーマンスの活動歴は下記をご参照下さい。
http://www.japanimprov.com/aito
http://www.officekubota.net/snowcontemporary


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