NADiff GALLERY







Taylor Deupree(テイラー・デュプリー)[ UNSEEN ]
2010年4月15日(木)- 4月25日(日)


Opening Reception & Artist's Talk: Entrance Free!
2010年4月15日(木)19:00 - 21:00
テイラー・デュプリー × 佐々木 敦(批評家)


12kは数少ない米国のエレクトロニカ系レーベルのなかで、飛び抜けてセンスのよいレーベルです。
12kの主宰であるテイラー・デュプリーは、サウンド・アーティストであり、グラフィックデザイナーであり、写真家でもあり、自身が12kのCDのアートワークを手がけていて、まさに音とアートの比重が半々の、きわめて現代的なアーティストです。
坂本 龍一



企画:株式会社 ニューアートディフュージョン
   安永哲郎事務室(tet@helll.org http://jimushitsu.blogspot.com
協力:ヤマハ株式会社、 p*dis、cubic music





エレクトロニカ、ミニマル・ミュージック、アンビエントなどの先鋭的な音楽の領域において、もはや代名詞的な存在となっているテイラー・デュプリー。
今回は「写真家」テイラー・デュプリーという側面に新たに焦点を当てることで、音楽、アート、デザインなどの多様なカルチャーを横断的につないでいく空間の創出を体験いただけます。

日本では初の写真の展示となります。

この展覧会では、デュプリーによる写真の連作3本と、音楽と連動した新作をご紹介いたします。
作品はすべて古いインスタントカメラや旧式のポラロイドで撮影されており、デジタル加工や編集は一切施されていません。しかし、そのどれもが変色や風化などの自然現象による変化を積極的に受け入れることで、作者自身も予想しない深く幽玄な風合いを獲得しています。

[ Poraloid Diary, 2008 ]
2008年の1月1日から12月31日まで、ポラロイドSX-70で毎日撮り溜めたポラロイド日記。
すべてのプリントに日付、時間、時にメモも記されています。日々の中で目に止まったもの、気に入ったものあるいは全く無意味なものなど様々なものが被写体になっています。

[ Air, Day ]
ポラロイドで青空を撮影したシリーズ。空を注意深く見上げると、普段は見逃している様々な要素がそこにあることに気づきます。青い色や雲という目に見えるもの以外に、物理的にも感覚的にも様々なものがそこには存在しています。

[ Unseen Architecture ]
明快な直線で構成された現代建築の数々を、ホルガのプラスチックカメラによるイレギュラーな露出で捕らえることにより、ぼんやりとかすれ、風化したノスタルジックなイメージへと転化させたシリーズです。この転換の技法は、後の彼の音楽制作のプロセスにも予測不可能な要素を取り入れるきっかけとして大きな影響を及ぼしています。

[ Snow (Dusk, Dawn) ]
音と写真を用いたマルチメディア・プロジェクト。使用期限のすぎた古いポラロイドフィルムを用いた63枚の連作です。劣化したフィルムが生み出す青や茶色がかった像を、さらに真っ黒になるまで24時間露光させています。
デュプリーは写真が真っ黒になる前の青みがかった雪景色をスキャンし、黒くなった写真と対にしてCDのジャケットに封入しました。つまり、63枚のエディションはすべて異なるオリジナルのポラロイドが封入されています。
本作の音楽作品も、儚い一瞬と消え行くさまという対称性がテーマになっています。儚げな音のループがノイズにまみれ、18分かけて消えて行く様子がレコーディングされています。



[ 12k Fair ]
期間中NADiff a/p/a/r/t (恵比寿)とgallery 5 (初台)の店内にて、12kレーベルのCDを集めた『12kフェア』開催。
フェア対象商品をお買い上げのお客様に先着で12k特製メモパッドをプレゼント致します。



Biography テイラー・デュプリーについて

テイラー・デュプリーは、ニューヨーク州の郊外パウンドリッジ在住のサウンド・アーティスト/フォトグラファー/グラフィックデザイナー。
イメージとサウンドの融合をテーマに、CD作品をはじめ、ライヴ・パフォーマンス、山口情報芸術センター(YCAM)やNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)などでのサウンド・インスタレーションなど、複合的な活動を展開している。
1997年、「ミニマリズム」と「コンテンポラリー・デジタル・フォームズ」に焦点を当てた音楽レーベル「12k(トゥエルヴ・ケイ)」を設立。
サウンドからアートワークに至る極めて禁欲的で透徹したミニマルな美学が、国際的に高い評価を獲得している。

近年のデュプリーの関心は、デジタル・サウンドと有機的でアコースティックな器楽音の融合へと向かっているが、そこには建築やインテリアデザイン、そして写真への興味が深く影響している。「ミニマリズム」「アトモスフィア」「ネイチャー」そして「静けさ」と「不完全さ」。これらがデュプリーのクリエイションの根底に流れるテーマである。



Artist's Statement テイラー・デュプリー自身の制作に関する考え方

「私の活動を端的に表す言葉 − それは『ミニマリズム』です。時間を超越すること。自然に寄り添うこと。控えめであること。そしてシンプルであること。飽和や熱狂から距離を置き、一つの音、一つの色、一本の線などに徹することで、表現の強度が増すと私は信じています。そして私の作品で重要なことは『完結しない』ということです。それが音楽であれ写真であれ、常に私自身の人生というプロセスにおける、その時々のスナップショットとしか呼び様がないものです。制作を始め、終えたとしても、新たなアイデアが私を再び制作へと向き合わせ続けるのです」
(訳:安永哲郎)




関連イベント:[ 12k show case 2010 ]

4月10日(土)
『お寺の音楽会 誰そ彼 Vol.18』 - 12K show case 2010 -
日 時: 2010年4月10日(土)17:00〜21:00
場 所: 梅上山 光明寺(東京 神谷町)
出 演: solo andata (12K / from Australia)、sawako (12K)、moskitoo (12K)
ゲスト: Tom Hall (from Australia)
お問い合わせ: http://www.taso.jp/

4月11日(日)
『12K show case 2010』 at 明日館
日 時: 2010年4月11日(日)17:30開場/18:00開演
会 場: 自由学園明日館講堂
出 演: Taylor Deupree、solo andata、minamo
お問い合わせ: cubic music(www.cubicmusic.com / info@cubicmusic.com)



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