丹羽良徳 『公共性を再演する|作品の解説を23種の言語に翻訳する丹羽良徳の2004年から2012年の介入プロジェクト』 祝・第二版重版記念 フェア&イベント

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このたび、NADiff a/p/a/r/tでは、丹羽良徳のアーティストブック「公共性を再演する|作品の解説を23種類の言語に翻訳する 丹羽良徳の2004年から2012年の介入プロジェクト」の増刷を祝した連続トークイベントと、店内フェアを開催いたします。
 丹羽良徳は1982年、愛知県生まれ。不可能性と交換を主軸とした行為や企てを路上などの公共空間で試みることで、社会や歴史へ介入する作品 を発表してきました。
 丹羽自身がプロジェクトの実践者となり、東ベルリンの水たまりを西ベルリンに口で移しかえたり、震災後の反原発デモ行進を逆走したり、ルーマニアで社会主義者を胴上げするために共産党と交渉したり、ソ連崩壊後のロシアの一般家庭を訪問してウラジーミル・レーニンを捜し続けるなど、 目に見えない社会の構造や概念を、自らの行動によって浮き彫りにするパフォーマンスを展開しています。
 この書籍は、2004年から2012年までの丹羽良徳の作品をまとめ、アーティスト自身の作品解説を23種類の言語で記述する試みです。欧米、アジア、中東圏の主要言語に加え、エスペラントやロジバンという地域や国に依らない国際言語まで収録し、自分自身が見えている世界=自分 自身で説明しうる世界の外の領域を作品に重ねることで、従来の作品解釈をさらに押し広げようとしています。多くの分野で横断的かつ国際的な仕事が望まれる一方、理想的なすべての価値観が相対主義的に収束していまう状況のなか、いまいちど《逃れられない》自分自身の持っている属性や アイデンティティーを立脚点にしながら、不理解の領域を書籍に持ち込んでいます。また、実質的な国際言語としての英語を用いた(=英語の価値観 に準拠した)作品理解以外の世界を構築することは可能かどうかという丹羽自身への問いかけでもあります。地球上に現存する多くの民族言語や地 域言語で作品が解釈されていくことからどんな価値が生まれていくのか、国内のみならず海外へも流通させることで、 このアーティストブックの本質的な試みが展開してゆきます。

この度のイベントでは、本書の出版の経緯や、「公共性」について対談する連続企画を予定しています。
 本のご購入特典付きキャンペーンや、店内でのブックフェア、丹羽良徳の特製グッズ等もあわせてお楽しみ頂ける盛りだくさんの内容をご用意しております。是非この機会にご来店下さい。

協力:マイブックサービス




●EVENT



第二版発売記念、制作者対談トーク
2014年1月31日 [金] 19:00 - 21:00
今回制作に携わったアーティスト、デザイナー、編集者を交えてアーティストブックの条件を語ります。
*トーク終了後はサイン会を行います。(初版、二版購入者対象)
「アーティストブックの条件」
出演:丹羽良徳 (アーティスト)、田中義久 (グラフィックデザイナー)、伊藤雅俊 (マイブックサービス)
進行:島貫泰介 (美術ライター / 編集者)


作品と公共性を巡るリレートーク
2014年2月1日 [土] 17:00 - 19:00
丹羽良徳が2人のゲストと共に、「公共性」について対談する連続トークです。
「アートに公共性はあるか?」
時間:17:00 - 18:00
ゲスト:市原尚士 (読売新聞水曜夕刊ポップスタイル欄編集長)

「公共性に条件はあるか?」
時間:18:00 - 19:00
ゲスト:岸井大輔 (劇作家、PLAYWORKS主宰)



●関連商品



丹羽良徳『公共性を再演する|作品の解説を23種類の言語に翻訳する 丹羽良徳の2004年から2012年の介入プロジェクト』
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2004年から2012年までに制作された33作品のアーティスト・テキストを、23種類の言語に翻訳する出版プロジェクト。《水たまりAを水たまりBに移しかえる》2004年、《ルーマニアで社会主義者を胴上げする》2010年、《デモ行進を逆走する》2011年、等これまでの代表作を、膨大な言語とカラー図版で、丹羽良徳の作品を一挙総覧する。
2013.10.15初版発行、2014.1.31第二版発行 / ㈱マイブックサービス / A5版 / 無線綴じ、フルカラー、702項 / 6,300円(税込)
ナディッフご購入特典
購入者に特製缶バッヂプレゼント (先着50セット)

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丹羽良徳『サイン付きコンプリートボックス』
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限定5部 / 8,400円(税込)
特製ダンボールBOXに、丹羽良徳の今までの制作物、印刷物、マルチプルが詰め込まれた限定5部の特別セット。
内容:
1. アーティストブック「公共性を再演する」
2. 特製缶バッヂ
3. オリジナルTシャツ
4. ドローイング付き蔵書
5. ポストカード
6. 指示書


丹羽良徳 オリジナルグッズ
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作品タイトルをシルク印刷したオリジナルTシャツ、青焼き印刷などのマルチプルの販売をフェア期間中に行います。
・丹羽良徳トートバック × 4種 2,100円(税込)
・丹羽良徳Tシャツ:4種 1,890円(税込)
・丹羽良徳 青焼きポスター:3種程度 1,260円(税込)

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●店内フェア



「丹羽良徳の本棚」
丹羽良徳が所有している書籍による選書フェア。紙面に直接ドローイングしている一点ものも含まれています。



●Profile



丹羽良徳 Yoshinori Niwa
niwa
WEB: http://www.niwa-staff.org
アーティスト
1982年愛知県生まれ。多摩美術大学映像演劇学科卒。
不可能性と交換を主軸とした行為や企てを路上などの公共空間で試みることで、社会や歴史へ介入する作品を制作。多くの場合は、交渉の失敗や他者からの反応などを含めたプロジェクトの一部始終を収めたヴィデオ記録を展示している。東ベルリンの水たまりを西ベルリンに口で移しかえる「水たまりAを水たまりBに移しかえる」(2004) など肉体を酷使した不毛な交換行為に始まり、震災直後の反原発デモをひとりで逆走する「デモ行進を逆走する」(2011) や都市の抗議活動を無関係な観光地まで延長させた「首相官邸前から富士山頂上までデモ行進する」(2012) など自身の状況を転置することで眼に見える現実を解体し、「公共性」という幻想のシステムの彼岸を露出させる新たな物語を作り出す。近年は共産主義の歴史への興味から社会主義者を胴上げしようと現地の共産党で交渉する「ルーマニアで社会主義者を胴上げする」(2010) やソビエトが解体されたロシアの一般家庭を訪問してレーニンを捜し続ける「モスクワのアパートメントでウラジーミル・レーニンを捜す」(2012) など移り行く思想哲学とその歴史を横断するプロジェクトに展開。その共産主義を巡るシリーズ全4作品は、森美術館に収蔵される。近年の展覧会に「Double Vision: Contemporary Art From Japan」(モスクワ市近代美術館、ハイファ美術館) 「あいちトリエンナーレ2013」(愛知芸術文化センター他、名古屋市近郊)、「六本木クロッシング2013 OUT OF DOUBT」(森美術館) 他に参加。


田中義久 TANAKA Yoshihisa
tanaka
WEB: www.nerhol.com

グラフィクデザイナー
1980年静岡県浜松市生まれ。2004年武蔵野美術大学卒業、2008年独立。
2013年JAGDA賞、JAGDA新人賞、BACON PRIZE 2013、2012年PromaxBDA DESIGN GLOBAL EXCELLENCE AWARDS / SILVER、2010年red dot award、2009年TDCPrize Nominee work、他。また飯田竜太 (彫刻家) とのアーティストユニット「Nerhol」としても活動中。


伊藤雅俊(株式会社マイブックサービス)ITO Masatoshi

1982年愛知県生まれ。
《公共性を再演する|作品の解説を23種の言語に翻訳する》を担当。


市原尚士 ICHIHARA Shoji
ichihara
読売新聞水曜夕刊ポップスタイル欄の編集長
1969年千葉市生まれ。
1993年早稲田大学第一文学部 (現・文学部) 哲学科東洋哲学専修卒業。同年、読売新聞東京本社に入社。金沢支局勤務などを経て、現在は文化部に所属する。横浜市在住。


岸井大輔 KISHII Daisuke
kishii
劇作家、一般社団法人PLAYWORKS代表理事
1970年生まれ。
演劇の素材を人間の集団ととらえ、他ジャンルで追究された創作方法による形式化が、演劇においても可能かを問う作品群を制作発表している。2008年よりPLAYWORKS主宰。代表作に《P》《potalive》《文 (かきことば)》《ふるまいのアーキビスツ》東京アートポイント計画において2009年ー2012年にハンナ・アーレントの《人間の条件》を戯曲とみたて、東京を舞台に劇化を試み期間3年間の演劇『東京の条件」上演。2013年12月に『戯曲|東京の条件』発刊。
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