『転形期のメディオロジー』刊行記念トーク
メディアの越境について

出 演 : 鳥羽耕史、高山明

日 時 : 2019年11月15日[金] 19:30-21:00(開場 19:15)

  • 転形期のメディオロジー

    転形期のメディオロジー

 


会 場:NADiff a/p/a/r/t
定 員:70名
入場料:1,000円


 

●開催概要

 
 『転形期のメディオロジー』は、レジス・ドブレのメディオロジー概念を批判的に踏まえながら、1950年代を言語圏から映像圏への移行の時代と捉え、「活字・出版メディア」、「映像・放送メディア」、「表現・身体メディア」の三つのメディア様式からその様相を描き出した論集です。日本をベースにする6人、北米をベースにする6人の、文学、映像、美術などの専門家による論考を組み合わせることで、地域的にも領域的にも横断的な書物となっています。
 政治的にも、経済的にも、メディア的にも「転形期」であった1950年代の動態を、メディオロジーの視点で捉えることは、1980年代から現在に至る、もう一つの政治・経済・メディアの「転形期」を考える際にも有効な視座になり得るでしょう。
 今回のNADiff a/p/a/r/tでの対談には、この論集で唯一扱えなかった「演劇」を、やはりメディア横断的な姿勢で問い直しつづける高山明さんを招き、1950年代の様々なメディア横断の実践の今日的な可能性について検討したいと思います。もちろんそれは単なる過去の回顧ではなく、Port Bで高山さんが実践する、従来の演劇の枠組みを超えた演劇の試みとの共振や、新たな視点からの1950年代の賦活の可能性を探る対話となるでしょう。

鳥羽耕史(『転形期のメディオロジー』編集)

 


 

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●商品情報
 
shinwashabook

転形期のメディオロジー── 一九五〇年代日本の芸術とメディアの再編成

鳥羽耕史・山本直樹[編]
 
発売日:2019年9月
刊 行:森話社
判 型:A5判
頁 数:352頁
価 格:4,500円+税
>> NADiff ONLINE
 
1950年代、メディアの変貌がもたらしたもの
1950年代の日本で、テレビに代表されるニューメディアの出現が、印刷媒体中心であった既存のメディアをいかに変容・再定義していったのか。
本書では、主に文学・映像・美術のジャンルにおいて、異なるメディア間での相互交流、越境、再編成と、それらが作品や表現にもたらしたものを再検討し、現代の錯綜するメディア状況を歴史化する視点を提示する。

 
目次
【はじめに】 山本直樹

【Ⅰ 活字・出版メディア 】
ガリ版、連環画、幻灯から映画、テレビへ──一九五〇年代の草の根メディアとマスメディアについて=鳥羽耕史
大宅壮一の「熱い戦争」と「冷たい戦争」──海外ルポルタージュなどの活動をめぐって=阪本博志
『岩波写真文庫』の眼とヌーヴェル・ヴァーグ──名取洋之助の写真論=角田拓也
暗箱からの透視──埴谷雄高の《存在論的映画論》について=山本直樹

【Ⅱ 映像・放送メディア】
思想の慣用語法としての映画──鶴見俊輔の自伝的映画批評=山﨑順子/喜田智尊=訳
勅使河原宏の映画実験──再生という作法=友田義行
テレメンタリーという思考──NHK『日本の素顔』と一九五〇年代策=松山秀明
佐々木基一の『テレビ芸術』とテレビドラマ──アクチュアリティの追求=瀬崎圭二

【Ⅲ 表現・身体メディア】
民主的メディア圏における美の働き──千田梅二と戦後芸術運動=ジャスティン・ジェスティ/狩俣真奈=訳
田中敦子と《電気服》──女性の主体性の回路をめぐって=ナミコ・クニモト/友添太貴=訳
タブローの行方──一九五〇年代後半の美術の分岐点=鈴木勝雄
物質と芸術──戦後日本におけるアヴァンギャルドの理論と倫理=ケン・ヨシダ/喜田智尊=訳

【おわりに】 鳥羽耕史


 

●PROFILE

 

鳥羽耕史(とば・こうじ)

tobakoji
1968年生まれ。早稲田大学文学学術院教授。日本近代文学、戦後文化運動を専門とし、戦後の文学・文化を美術や映画との関係の中で考察している。単著に『運動体・安部公房』(一葉社、2007年)、『1950年代 「記録」の時代』(河出書房新社、2010年)、共編著に『「サークルの時代」を読む 戦後文化運動研究への招待』(影書房、2016年)などがある。
 
 
 

高山明(たかやま・あきら)

©江森康之
©江森康之

1969年生まれ。2002年、演劇ユニットPort B(ポルト・ビー)を結成。実際の都市を使ったインスタレーション、ツアー・パフォーマンス、社会実験プロジェクトなど、現実の都市や社会に介入する活動を世界各地で展開している。近年では、美術、観光、文学、建築、都市リサーチといった異分野とのコラボレーションに活動の領域を拡げ、演劇的発想・思考によって様々なジャンルでの可能性の開拓に取り組んでいる。


 

●お問い合わせ

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