『UBIQUITOUS: Enrico Isamu Oyama』
『VIRAL: Enrico Isamu Oyama』
刊行記念トーク: 拡散・横断・身体・造形

出 演 : 大山エンリコイサム(アーティスト)

聞き手 : 中尾拓哉(美術評論家)

日 時 : 2019年11月9日[土] 19:0020:30(開場 18:45

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会 場:NADiff a/p/a/r/t
定 員:70名
入場料:1,000円


 

●開催概要

 
大山エンリコイサムの2つの美術館個展カタログ『UBIQUITOUS』『VIRAL』の刊行を記念し、NADiff a/p/a/r/tにてトークイベントを開催いたします。

現在、ニューヨークを拠点に活動する大山は、独自のモティーフ「クイックターン・ストラクチャー(QTS)」をベースに作品を制作しています。QTSはエアロゾル塗料で都市の地下鉄や壁に名前をかくエアロゾル・ライティング(グラフィティ)から線の動きのみを抽出し、反復・拡張したモティーフです。それはメディアを問わず自在に生成し、拡散するシステムを内包しています。

QTSの制作手法は、2つの展覧会で更なる深化を遂げました。「UBIQUITOUS」展では、現在のグローバル社会における多文化・多言語・多国籍な背景をもつ生活者と、移民や難民をも含みうる、ボーダーレスに移動する横断的なライフスタイルというマクロな事象をQTSと重ねて捉えています。「VIRAL」展では、開催館の主要コレクションであるキース・ヘリング作品との関連から、QTSというモティーフを、伝染し拡散するウィルスというミクロな事象になぞらえています。横断性と拡散性への思索は、大山の身体を通じて生成されるQTSという造形の独自性に還っていくことでしょう。

本トークでは、美術評論家の中尾拓哉氏をお招きし、2つの展覧会に関する共通点と差異について、詳しくお話をうかがいます。

NADiff a/p/a/r/t店内では、大山の選書によるフェアも同時開催いたします。『UBIQUITOUS』と『VIRAL』の2冊のカタログとともにお楽しみください。
 
 


 

●EVENTご参加方法

 
ご希望日、ご参加を希望される方のお名前、お電話番号、ご参加人数を明記の上、メールにてご予約ください。
お電話でも承っております。TEL : 03-3446-4977
※当日キャンセルはかたくお断りしております



※受信制限をされている方は、当店からのメールを受信できるよう設定お願いいたします。
 


 

●関連フェア

大山エンリコイサム選書フェア
<描く・書く・掻く・画く―「四かく」の世界>

2019.11.8[金]—2019.12.8[日]
>>詳細
 
店内にて大山エンリコイサムの選書フェアを開催いたします。
<描く・書く・掻く・画く―「四かく」の世界>をテーマに10冊の本を選んでいただきました。
 
<描く・書く・掻く・画く―「四かく」の世界>
 日本語の「かく」には複数の意味がある。ここでは「描く」「書く」「掻く」「画く」の四つの「かく」を考える。「描く」は人物や風景などの対象を「えがく」ことで、さらに「線を引く」という普遍的で文化人類学的なニュアンスもある。今回は英語で「drawing」に当たる後者に注目した。「書く writing」はもっと具体的で、文字を記述することだ。その日常的な行為は、奥深くもある。東アジアの文明は、文字を書くことに象徴性や表現性、思想性を見出してきた。「掻く scratching」は表面を物理的に引っ掻いて、窪みをつくること。原初的で衝動的であり、ある種の暴力性を喚起させる。痕跡は、過去の時間を連想させもする。「画く drafting」は図面に起こす、製図するという含みがある。それは俯瞰する視点で、計画性や論理性に基づいた幾何学的操作であることが多い。日本語の「かく」が面白いのは、今述べたすべての意味に半分触れながら、どれにも完全には帰属しないからだ。複数的で曖昧なまま、「かく」の想像力をめいっぱい広げてみる。

大山エンリコイサム

 


 

●商品情報
 
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UBIQUITOUS: Enrico Isamu Oyama

発売日:2019年
刊 行:マリアンナ・キストラー・ビーチ美術館
判 型:153 mm × 203 mm
頁 数:140頁
言 語:日英
価 格:2,600円+税
>> NADiff ONLINE
 
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VIRAL: Enrico Isamu Oyama

発売日:2019年
刊 行:中村キース・ヘリング美術館
判 型:A4判
頁 数:80頁
言 語:日英
価 格:4,167円+税
>> NADiff ONLINE


 

●PROFILE

 

大山エンリコイサム

Enrico Isamu Oyama in his Brooklyn studio (2018) Photo © Collin Hughes
Enrico Isamu Oyama in his Brooklyn studio (2018)
Photo © Collin Hughes

アーティスト。エアロゾル・ライティングのヴィジュアルを再解釈したモティーフ「クイックターン・ストラクチャー」をベースに壁画やペインティングを発表し、現代美術の領域で注目を集める。1983年、イタリア人の父と日本人の母のもと東京に生まれ、同地で育つ。2012年よりニューヨークを拠点に世界各地で展覧会を行なうほか、著書『アゲインスト・リテラシー――グラフィティ文化論』の刊行、雑誌『美術手帖』エアロゾル・ライティング特集の監修、コム デ ギャルソンやシュウ ウエムラとコラボレーションするなど、多角的に活動する。マリアンナ・キストラー・ビーチ美術館(米カンザス)、ポーラ美術館(神奈川県箱根町)、中村キース・ヘリング美術館(山梨県小淵沢町)、タワー49ギャラリー(ニューヨーク)などで個展を開催。
http://www.enricoisamuoyama.net
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中尾拓哉

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美術評論家。1981年東京都生まれ。近現代芸術に関する評論を執筆。特に、マルセル・デュシャンが没頭したチェスをテーマに、生活(あるいは非芸術)と制作の結びつきについて探求している。2017年に著書『マルセル・デュシャンとチェス』を平凡社より出版。監訳書にマシュー・アフロン『デュシャン 人と作品』(フィラデルフィア美術館、2018年)。共著に『ストローブ=ユイレ――シネマの絶対に向けて』(森話社、2018年)。主な論考に「50年あるいは100年後の鑑賞者――日本・マルセル・デュシャン論再考」(『美術手帖』2019年2月号)など。現在、大山エンリコイサム氏も寄稿予定である、スポーツとアートの結びつきを様々な角度から探る論集『スポーツ/アート』(森話社)を準備中。
https://nakaotakuya.com


 

●お問い合わせ

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NADiff a/p/a/r/t
150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 1F
TEL. 03-3446-4977

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