児嶋サコ SAKOO 
-彼女のなかの森の中-

○企画協力:ユミコチバアソシエイツ

※一部告知で「児嶋サコ SAKOO-彼女のなかの森の中-」展の会期に間違いがあったことをお詫びして訂正いたします。

 

●ギャラリー・トーク/2005年10月14日(金)17:00-18:30 <終了しました>
「児嶋サコの森の中 -明川哲也と探る-」児嶋サコ+明川哲也(※)
(※ドリアン助川の名で「叫ぶ詩人の会」を結成。多方面で活躍。現在は執筆活動に専念。児嶋サコとは絵本「ぼく、あいにきたよ」で共作。)

●オープニング・パーティ/2005年10月14日(金)18:30-20:00 <終了しました>
於)カフェ・クレプスキュール(ナディッフ内)

児嶋サコの表現は、彼女の身体または生理による身振りが多分に反映されていて、そこから紡ぎだされた「彼女のなかの森」という物語は、欲動の噴出と封印の二重構造によって支えられていると言えるでしょう。彼女の世界は見るものの記憶を刺激し、意識の奥深くにひそむ得体の知れない「危うさ」を呼び起こします。ぜひご高覧ください。
企画協力:ユミコ チバ アソシエイツ 

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●概 要

 
児嶋サコの表現は、彼女の身体または生理による身振りが多分に反映されていて、そこから紡ぎだされた「彼女のなかの森」という物語は、欲動の噴出と封印の二重構造によって支えられていると言えるでしょう。彼女の世界は見るものの記憶を刺激し、意識の奥深くにひそむ得体の知れない「危うさ」を呼び起こします。ぜひご高覧ください。
企画協力:ユミコ チバ アソシエイツ 

「彼女のなかの森の中」

彼女は疲れていた、ここの所ずっと。
しかし絶望的なわけではなかった。
彼女はニュータウンに住んでいる、そこはいわゆる大都市のベットタウンで、マンションや住宅は数知れず建っているが、どこかしら寂しい場所だった。
彼女は毎日「SAKOO」という駅前のスーパーで買い物をする、あまり料理は好きではないのだが、毎日少しずつ買い物をする。
駅前はいつも人がたくさんいる、逆に言うと駅前以外はまったく人気がない、風ばかりがびゅーびゅー吹いているのだ。そのせいか彼女は駅前の人々が本当の人間なのか、実際に存在しているのか自信がない、まるでイリュージョンのようにある日突然消えてしまうのではないかと思っている。
その日も彼女は「SAKOO」で買い物をしていた。しかしその日は運悪く彼女の大好きな種類のキノコがなかった。
彼女はがっくりと肩を落とし、トボトボと帰り道を歩いていた。
相変わらずマンションは建ち並んでいるのに人はいない。
…キノコっていったいいつどこで採れるのかしら?
…秋に、森で。
彼女は突然森にいきたくなり、トマトの缶と飼っているハムスターのために買った大嫌
いなにんじんの入ったスーパーの袋をもったまま、森の見える方向へ歩きだした。
森に着いた頃にはもう夜になっていた。
湿って透き通った空気の漂う森だった。
ずいぶん森のなかを歩いたがキノコはない。
急に寂しく悲しくなった彼女はその場にしゃがみ込んだ。すると、足下に小さな小さなキノコがあったのだ。
嬉しくなった彼女はそれを採って砂をはらい、パクっと食べた。
気のすんだ彼女はそのままそこに横たわり周囲を眺めていた。
月明かりでうっすら照らされた緑の深い森林。樹の陰に何か白いものが見えた。よく見るとそれは、ネズミのようなウサギのような何とも見分けの付かない「どうぶつ」だった。
その「どうぶつ」は笑っているようだった。
ウフフウフフフフフフフー
よく見ると他の樹の陰にも「どうぶつ」達がいる。
ウフフウフフウフウフフー
みんな笑っている。そして揺れている、横ノリだ。
彼女も一緒に揺れたかったが、体が動かない。
とりあえず一緒に笑う。
ウフフフフー
ウフフフフー

 


 

●PROFILE
 
児嶋サコ Sako KOJIMA

 
1976 東京都生まれ
1999 京都市立芸術大学美術学部絵画専攻卒業
London Royal College of Arts.Communication Class留学
2001京都市立芸術大学美術学部絵画専攻修士課程修了

個展
2000 「あなたのサド心くすぐります」(Oギャラリーeyes・大阪)
2001 「MY BABIES」(Prinz・京都)、「私が彼に出会った時」(Oギャラリーeyes・大阪)
2003 「ひとりでいいの」(WHITE CUBE KYOTO・京都)、「さす!?」(studioJ/Oギャラリーeyes・大阪)
2005 「repression-抑圧」(studioJ/Oギャラリーeyes・大阪)
「Many balls are going to die.」(studioJ・大阪)
「empty days」(gallery SPEAK F O R ・東京)

2001 Doble Baind-児嶋サコ・タイテツヤ展(Oギャラリー/OギャラリーTOP・S・東京)
2002 京都府美術工芸新鋭選抜展「優秀賞」(京都文化博物館・京都)
ART:SYNAPSE 2002(ギャラリーマロニエ・京都)
2003 アートコートフロンティア2003(アートコートギャラリー・大阪)
SPAIRAL TAKE ART COLLECTION(spiral garden・東京)
Premonition-M(大阪成蹊大学芸術学部綜合芸術研究センター・大阪)
2004 SPAIRAL TAKE ART COLLECTION(spiral garden・東京)、group show(ギャラリー小柳・東京)
AKIMAHEN!(MAISON FOLIE DEWAZEMMES・Lilleフランス)
EIJYANAIKA! NO FUTURE(Collection Lambert・Avignonフランス)
self-conscious(Oギャラリーeyes・大阪)
2005 J’en reve(foundation Cartier・Parisフランス)
 
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