杉山佳 個展「森林について」

会 場:NADiff modern (2F Gallery)
会 期:2021年11月27日(土)-2022年1月30日(日)   

  • 森林について

    森林について
  • 木々とクマ

    木々とクマ
  • der rahmen

    der rahmen

 

●概要

 
この度NADiff modernでは、日本美術の「見立て」と「引用」の技法をいかして制作をしている日本画家・杉山佳の個展「森林について」を開催いたします。
一貫した作風がありながら、展示ごとに違った試みや新たな魅力を見せてくれる杉山佳。今回の展示ではプリンタートレイという活版印刷のパーツを入れる引き出しを、本棚に見立て制作した新作を中心に展示販売いたします。

初の画集『不在の部屋』(PINHOLE BOOKS)もあわせて販売中!

 

 

私は2020年に東京藝術大学 美術研究科 博士後期課程を修了し、現在日本画家として「見立て」と「引用」という日本美術で用いられてきた技法をいかして対象を表現するスタイルで制作をしています。
具象とは、現実の物体をそれとわかるように表す美術のことですが、私の絵画制作での試みは、具体的な対象を描きながら、それとは別の、画面上に可視化しない対象がそこに居た余韻を表すことです。日本画の制作では、写生の重要性や、対象と描き手の主従関係(対象が主、描き手が従)を学んできましたが、私はその外側に興味を持ちました。
人が関わった痕跡を描くことで、画面には登場しなくても、人が確実にそこにいた場面を切り取ることでそこに「不在感」が生じます。実在する、もしくは実在していた対象を描くことで、描かない存在を表すという、メタフィジカルな状態の絵画を成立させることが、私の制作の狙いなのです。

そんな「不在」というテーマや「見立て」の考え方で制作した最初の作品が本棚の絵でした。大学の修了制作という大勝負のタイミングで、スランプというか、とにかく良い状態ではなかったのです。そんな折、「とにかく何か制作のヒントを!」と思い、町の本屋さんに入って美術関連の本や図鑑、服飾や音楽の雑誌など一通り立ち読みしました。おおよそ読んで、これといった収穫もなく、ちょっと失望して本屋さんを出ようとした時、ふと振り返って本棚を見た時に「あ、これは絵に出来るかも」と久しぶりに〃降りて来た〃感覚を取り戻し、2ヶ月かけて本棚の絵を完成させ、それ以降の研究のテーマとして描き続けることになりました。私にとって本屋さんは作家としての指針を決めた「思い出深い対象」なのです。

今回の展覧会「森林について」は、プリンタートレイという活版印刷のパーツを入れる引き出しを本棚に見立て制作した作品を中心に展示します。
また近年動植物も多く制作しています。昔は動物や植物を描いてもデッサンを引き伸ばしただけの〃見たまま〃の絵になってしまうと思い避けて来ました。
家具や部屋を描いてきた副産物として現在の表現に行き着きました。「今なら描けるかも」と思い、緩やかに描く対象を増やしています。

そして2019年末から画集出版プロジェクトを始めていました。大学の同級生が出版社を立ち上げると聞き直ぐに連絡しました。
昨今新型コロナウイルスの感染蔓延によって、展覧会で実物の作品を見てもらえる機会が少なくなっています。遠出をせずに自宅にいながら絵を見れたり、今までとは異なるアプローチで発表できないかと考えていました。
私はもともと「本」が好きで、子供の頃に「図鑑」を作ったことを思い出しました。好きな動物について調べたことを絵に描いてまとめたものでした。拙いながらもそれなりに充実感があったので、持ち歩いては場所を選ばず眺めていました。それは持ち歩ける「動物園」の様な感覚でした。
絵描きになった今、この状況で場所を選ばない「美術館」や持ち歩ける「個展」を作ることが出来るのではないかと思い至りました。
新たな鑑賞の形としての画集を作りたいと思い、出版を企画しました。

本の方向性が決まり、作品撮影あたりのタイミングで偶然にもNADiff modernさんに今回の展示についてのお話をいただき、展覧会までにはなんとか出版を間に合わせたい!と更に勢い付いてきました。この有難い偶然を「今回の展覧会は画集出版記念なのかも」と都合良く解釈して自分の中で位置付けました。
また画集出版の資金調達をクラウドファンディングで行いまして本当に沢山の方々に支えられて出版まで辿り着きました。

画集『不在の部屋』はこれまで作ってきた「人のいない風景」を中心に掲載しています。今回の展覧会「森林について」では動植物を多く描いています。画集と作品、過去とこれからを比べて見てもらえると少し面白いかと思います。

取り扱う主題の分岐点になる様な展示になればと思い、絵を描きました。

杉山佳



  
 


 
 

●書籍紹介

『不在の部屋』
*通常版と特装版の2種類あり
 
本文A4サイズ(210 x 297mm)/フルカラー120ページ/オフセット印刷
著者:杉山佳
撮影:川村恵理
テキスト:杉山佳、倉本幸弘
タイトル英訳:マチダ ゲン
出版:PINHOLE BOOKS
編集・デザイン:泉美菜子(PINHOLE)
印刷:藤原印刷株式会社、株式会社ショウエイ(特装版題箋)
製本:望月製本所
協力:MOTION GALLERY

通常版(限定500部)
ソフトカバー/オープンバック無線綴じ

特装版(限定100部)
ハードカバー/フォローバック糸かがり綴じ/布貼/題箋貼り/文字箔押し/スピン付き

 
  
 


 

●Profile

杉山佳(すぎやま・けい)

〈来歴〉
1988年 奈良県出身
2011年 東京藝術大学美術学部絵画科日本画入学
2015年 東京藝術大学美術学部卒業 同大学大学院日本画入学
2017年 東京藝術大学修士課程修了 同大学美術研究科美術専攻日本画博士後期課程入学
2020年 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻日本画修了博士号取得博士論文『不在』
2021年 東京藝術大学日本画教官室教育研究助手

〈展示歴、受賞歴〉
2015年
卒業制作(東京都美術館)台東区長賞、サロン・ド・プランタン賞、平成芸術賞 受賞
素描展(東京藝大陳列館)以後16年、17年、18年

2016年
松伯日本画大賞展(松伯美術館) 優秀賞
三國G展 (ソウル大学)

2017年 
修了制作(東京藝大大学美術館)東京藝大美術館買い上げ賞、平山郁夫奨学金賞
守谷育英会奨学金賞(以後18年)
創画会(東京都美術館) 初入選(以後18年、19年)
全国美術・教育リサーチプロジェクト(東京藝術大学大学美術館)

2018年
桃源郷芸術祭2018(茨城県天心記念五浦美術館)
春季創画会(西武池袋)初入選
佐藤国際文化育英財団 第28期奨学生
創画会東京研究会 第22回夏の会(ギャラリー青羅)
MITUKOSHI×東京藝術大学 夏の芸術祭2018(日本橋三越)
日本画第一研究室発表展(東京藝大陳列館)
日本画三人展(アートスペース羅針盤)

2019年
レスポワール展 個展(銀座スルガ台画廊)
​第45回東京春季創画展 春季展賞
HOME 個展(アートギャラリー北野)
なつのにわ 二人展(ギャラリー子の星)
日本画三人展(数寄和)
will+s(西武池袋)
たいせつなもの展(靖山画廊)
東京藝術大学 大学院美術研究科 博士審査展(東京藝大大学美術館)

2020年
花と蕾展(藝大アートプラザ)
杉山佳 個展(アートスペース羅針盤)
​一朶の会(ギャラリー和田)
日本画三人展(数寄和)
​日本画三人展(アートスペース羅針盤)
アトリエから(藝大アートプラザ)
藝大の猫展(藝大アートプラザ)
杉山佳 日本画展(有明ガーデン丸善ジュンク堂書店)
創画展2020(東京都美術館/京都市京セラ美術館)
will+s(西武池袋/そごう広島)
​ピナレロショップ常設展(ピナレロショップ南青山)
DECORA常設展(雑貨店DECORA)
アートを贈る、クリスマス(渋谷スクランブルスクエア)
装幀画展(パレットギャラリー麻布十番)
弥栄の会(スルガ台画廊)
WORKS!vol1(美の舎)

2021年
新春羅針盤4人展(アートスペース羅針盤)
杉山佳 個展 (虎の間/toranoma&wazavu)
杉山佳 個展 (アートギャラリー北野)
杉山佳 個展 (gallery&cafe雨讀)
春季創画展 入選 (西武池袋本店)
旅展/ここではないどこか (藝大アートプラザ)
第二回一朶の会 (ギャラリー和田)
SessionⅠ (ギャラリーアートポイント )
Art Art Kobe(大丸神戸展)
CDジャケットアート展(パレットギャラリー)
ニューウェーブ 〜時代を拓くアーティストたち〜(新潟三越伊勢丹)
stay factory(アートスペース羅針盤)
猫博覧会(銀座画廊 美の起源)
弥栄の会(銀座スルガ台画廊)
大丸ファインアートコレクション(大丸福岡天神店)
大切な箱(gallery&cafe 雨讀)
日本画3人展(高松三越 本館 美術画廊)

〈作品収蔵〉
佐藤美術館
​台東区役所
東京藝術大学大学美術館

杉山佳ホームページ
杉山佳Instagram


 

●お問い合わせ

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Book Shop: NADiff modern
150-8507 東京都渋谷区道玄坂2-24-1Bunkamura B1
TEL. 03-3477-9134

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