大山エンリコイサム
Book Covers, Bookends

 

定休日:月曜日(祝日の場合は翌日火曜休み)

営業時間:12-20時  ※2⽉7⽇(⽔)、2⽉17⽇(⼟)はイベントのため19時閉店

※1⽉22⽇(⽉)〜24⽇(⽔)は展⽰⼊れ替えのため店舗休業とさせていただきます。

 

 

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Enrico Isamu Oyama, FFIGURATI #593, 2023, Artwork ©︎Enrico Isamu Oyama / EIOS
会場写真|Photo ©︎Shu Nakagawa

 
 

トークイベント

 
大山エンリコイサム × 飯田高誉(キュレーター/スクールデレック芸術社会学研究所所⻑)
「書物と洞窟をめぐって」

⽇時|2024年2⽉7⽇(⽔)19:30〜21:00
会場|NADiff a/p/a/r/t
定員|30名
会場参加|1,100円
オンライン配信|1,000円
※本イベントは終了いたしました

オンライン配信について
オンライン配信は当日のリアルタイムでのご視聴となります。
アーカイヴ動画の配信方法については、チケット購入者宛に後日メールにてお知らせいたします。
本配信の詳細・チケット購入については、FashionStudies®(ファッションスタディーズ)のウェブサイトをご確認ください。

 Think of Fashion® Study 004 スピンオフ トークイベント 「書物と洞窟をめぐって」

オンライン配信担当|FashionStudies®︎(ファッションスタディーズ)、ファッションビジネス学会+10Y研究部会

 


 

概要

 
 
大山エンリコイサムは、ストリートアートの⼀領域であるエアロゾル・ライティング(※)のヴィジュアルを再解釈した表現により、注目を集めるアーティストです。1970年代のニューヨークで始まったライティング文化に影響され、その特有の線の動きを抽出し、再構成することで生み出された独自のモティーフ「クイックターン・ストラクチャー」(QTS)を国内外で発表。作品制作と並行して、これまでに『ストリートアートの素顔』(⻘土社、2020年)など複数の著作を刊行し、現代美術とストリートアートを行き来する研究や批評にも取り組んでいます。近年では、MEET YOUR ART FAIR 2023「RE:FACTORY」のメインアーティスト/アーティスティック・ディレクターを務め、現代美術の領域を中心に活動の幅を広げています。
 
2022年の「Paint Blister」展に続き、NADiff a/p/a/r/t での2度目の個展となる本展では、書店/アートギャラリーとして2023年9月にリニューアルした当店の特徴に着目し、さまざまな技法を⽤いて書物にまつわる事物の翻訳を試みた作品群を発表します。現在、目まぐるしく変化する「アート」や「出版」をめぐる国内の社会構造において、大山は、過渡期ともいえるその状況を「作品」や「書物」といったメディアの存在の揺らぎと捉え、それらを取り巻く環境を見つめ、造形的思考による再解釈を加えます。これまで⼆次元の視覚表現として多様なジャンルを越境してきた「クイックターン・ストラクチャー」(QTS)を、本展では自律するブックエンドとして三次元化し、書物とのあいだに生じる相互作⽤によって周囲の空間を変容します。また、かつて画集や図鑑といった大型の書物を保護する役割を与えられたブックケースをはじめ、ブックカバーやブックページといった書物を構成する平面のオブジェクトにQTSを施すことによって、⼤⼭は、それらに美術表現としての新たな「生(life)」をもたらします。QTSの多面的な可能性がさらなる次元へと展開する、大山エンリコイサムの最新の作品世界にぜひご期待ください。
 
※NYのストリート文化から発展した、自分の名前をアートとして描画する表現文化
 

協⼒|Takuro Someya Contemporary Art、agnès b. galerie boutique

 
 
 
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Enrico Isamu Oyama, FFIGURATI #598, 2023-24, Artwork ©︎Enrico Isamu Oyama / EIOS


 
 

作家ステートメント

 
 
 本展の端緒は、先立ってNADiff a/p/a/r/tとの協働から着想し、本展で発表することになったブックエンドである。それらは単体として鑑賞や思考の対象となる美術表現であると同時に、実際の書物と組み合わせて使用できるプロダクトでもあり、その両儀性がマテリアルの選定から流通のチャネルまで、全体にわたり設計に反映されたコンセプチュアルな複製作品である。なぜ、ブックエンドか。アーティストが書店とコラボレーションするとき、アートブックや書物をモティーフに創作することは想像しやすい。ただ書店とは、書物を生み出す場ではなく、陳列し、読者に届ける場である。書店に固有のその機能に注目した結果、書物そのものではなく、それを支えるブックエンドの存在が気に留まった。
 
 かつて粉川哲夫はマンハッタンのビル群を集積したタイポグラフィーのようだと述べ、文字がかきこまれるメディアとして、路上の壁と書物のページを重ねる視点を示した。硬さや厚みのあるブックエンドは、より壁を彷彿させる。ダムが水を堰き止めるように、ブックエンドは書物を支えて立つ。直接かきこまれないが、書物が発する無数の文字がそこにエコーする。書物の無意識を反映する壁としてのブックエンド。新設された壁ではない。野晒しのままひび割れ、朽ちて、さまざまな記憶や感情を蓄えたコンクリートの塊。突きでた鉄筋。かつて壁だったそれに、非文字の抽象表現であるクイックターン・ストラクチャーを埋め込み、新たな生のサイクルが始まる。そのようなブックエンド。
 
 書物とブックエンドの関係は、絵画とフレームの関係にも似ている。後者はしばしば窓に準えられるが、窓枠が風景を切り取るように、絵画のフレームは画布上のイメージと現実を切り分ける。同様に、書物はほかの日用品と棚やテーブルに置かれたり、無造作にカバンに入れられることで生活風景に溶け込むが、ブックエンドはそれを屹立させ、周囲の連続から切り離し、自律したそれ自体の空間を立ち上げて提示する。四方を囲われた均一の棚板にたくさんの書物をまとめおく本棚が、複数の絵画を掛けた壁面、または役者の演技するステージだとすれば、フレームやブックエンドは、個々の絵画や書物のかたちに寄り添い、それらの個性を解放して際立たせるバイプレーヤー(名脇役)である。
 
 言い換えればブックエンドは、書物がテキストや画像の情報を載せた透明なメディアではなく、物理的に空間を占めるひとつの造形物であることを仄めかしている。このことは、電子書籍が台頭した現代社会において示唆に富んでいる。電子書籍は、書物にあった造形物としての性格を失い、情報を載せた透明なメディアへと痩せ細っている。そこにはブックエンドのみならず、ブックケースも、ブックカバーも必要ない。ページの概念はかろうじて維持されたが、手でめくることはできない。これらフィジカルの位相は、本を取り巻く環境から追放されつつある。そして書店という場もまた、オンラインショッピングが翌日に商品を届ける時代に、そのアイデンティティに変更を余儀なくされている。
 
 ブックエンド。ブックケース。ブックカバー。ブックページ。ブックストア。本展では、書物にまつわるこうした事物が過渡期にあるなか、それらを旧来の役割から転じた別の可能性、すなわち美術表現のためのフィールドに読み替え、作品化する。ブックエンドは複製された立体作品に、ブックケースは半立体のドローイング作品に、ブックカバーはスプレーされたステンシル作品に、ブックページはリングノートを模した印刷作品に、ブックストアはそれらをディスプレイする展覧会場に姿を変え、再定義される。世界にまだ存在するが使命を終えつつある事物の中間的な状態を「隙間」と捉え、クイックターン・ストラクチャーが自在に広がる空間へと翻訳し、新たな意味の生成を促進するのである。
 
 

大山エンリコイサム

 
 


 
 

マルチプル作品

 
 
本展にあわせて制作されたブックエンド型のマルチプル作品を発表いたします。
 

  • FFIGURATI #611_1

    FFIGURATI #611_1
  • FFIGURATI #611_2

    FFIGURATI #611_2
  • FFIGURATI #611_3

    FFIGURATI #611_3
  • FFIGURATI #611_4

    FFIGURATI #611_4

Enrico Isamu Oyama, FFIGURATI #611, 2024, Artwork ©︎Enrico Isamu Oyama / EIOS, Photo ©︎Shu Nakagawa

 

《FFIGURATI #611》

 
作 家|大山エンリコイサム
素 材|ステンレススチール、コンクリート、プラスチック、エアロゾル塗料
サイズ|約 375 x 255 x 340 mm
制作年|2024 年
限 定|30 (エディションナンバー入り)、作品証明書付き
 
《FFIGURATI #611》は、「OIL by 美術⼿帖」にて会期中の2⽉15⽇(木)の12時より購入希望のエントリーを行ないます。
受付期間|2024年2月15日12:00 – 2024年3月1日12:00
※作品の詳細・販売方法などの情報は、「OIL by 美術手帖」をご確認ください
URL|https://oil.bijutsutecho.com/special/267
 
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Enrico Isamu Oyama, FFIGURATI #611, 2024, Detail, Artwork ©︎Enrico Isamu Oyama / EIOS, Photo ©︎Shu Nakagawa

 
 


 
 

作品の販売について

 
 
出展作品の一部は、会場にて1月25日(木)12時より、購入希望をお受け致します。ご購入いただくお客様には、会期終了後にNADiff a/p/a/r/tよりメールにて連絡を致します。
 
受付期間|2024年1月25日12:00 – 2024年2月25日20:00
受付場所|NADiff a/p/a/r/t
受付方法|用紙に必要事項を記入
 
 


 
 

同時開催
 
大山エンリコイサム|Torus

 
会期|2024年1月25日(⽊)〜3月10日(日)
※毎週金・土・日開館14:00〜18:00(予約不要)
※毎週水・木 事前予約制(お問合せ:info@sgurrdearg.com)
休館日|毎週月曜日/⽕曜日
企画|飯田高誉(スクールデレック芸術社会学研究所所⻑)
協力|Takuro Someya Contemporary Art
会場|スクールデレック芸術社会学研究所
〒150-0013 東京都渋谷区恵⽐寿1丁目18-4
NADiff A/P/A/R/T 2F
https://www.sgurrdearg.com/exhibitions/enrico-isamu-oyama-torus/
 
 


 

プロフィール

 

Enrico Isamu Oyama in his Tokyo studio, 2022, Photo ©︎Go Itami
Enrico Isamu Oyama in his Tokyo studio, 2022, Photo ©︎Go Itami

 
 

大山エンリコイサム| Enrico Isamu Oyama

 
美術家。ストリートアートの⼀領域であるエアロゾル・ライティングのヴィジュアルを再解釈したモティーフ「クイックターン・ストラクチャー」を起点にメディアを横断する表現を展開。イタリア人の父と日本人の母のもと、1983年に東京で生まれ、同地に育つ。2007年に慶應義塾大学卒業、2009年に東京藝術大学大学院修了。2011-12年にアジアン・カルチュラル・カウンシルの招聘でニューヨークに滞在以降、ブルックリンにスタジオを構えて制作。2020年には東京にもスタジオを開設し、現在は⼆都市で制作を行なう。
http://www.enricoisamuoyama.net
 
 


●お問い合わせ

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NADiff a/p/a/r/t
150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 1F
TEL. 03-3446-4977
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