児嶋啓多「ネオ東京 徘徊と書」

定休日:月曜日

営業時間:12-20時

※5⽉13⽇(⽉)~15⽇(水)は展⽰⼊れ替えのため店舗休業とさせていただきます。

 

  • 02S

    02S
  • サブ03S

    サブ03S
  • 04S

    04S
  • サブ05S

    サブ05S

 


 
 

概要

 
この度NADiff a/p/a/r/tでは、アーティスト・児嶋啓多の作品集『ネオ東京 徘徊と書』の刊行を記念した個展を開催いたします。
児嶋啓多は、1985年兵庫生まれ、東京在住のアーティストです。2010年に金沢美術工芸大学視覚デザイン科を卒業後、アートディレクター、グラフィックデザイナーとして活動。2020年に「Augmented / Words in the City」(Meets by NADiff)で個展を開催するなど、AR(拡張現実)を用いて都市と書、言葉と人の関係性を視覚的に探求した作品を手掛けています。 
 
この度刊行となる作品集『ネオ東京 徘徊と書』では、体に自動シャッターに設定したカメラを取り付け、都市を徘徊しカメラが集めた画像(フラグメンツ)に書を重ねています。言葉と書を使い、空間に痕跡を残すことで都市を確認しようとする児嶋にとって、言語は世界を開示し、現実の隠された側面を明らかにする能力を持ち、書くことは内面を外在化するだけでなく、見えざるものとの交流の手段だといえます。作品集と同タイトルとなる本展「ネオ東京 徘徊と書」では、これらのイメージをキャンバスにプリントした作品を発表します。キャンバスの枠を超え、壁面にまでも拡張する書が展示会場で新たな層となって見る者の知覚を触発します。ぜひ会場でご高覧ください。
 
 


 
 
世界はどんな姿をしていのか
見えているのは意識の作り出した世界

世界の姿は認識している姿とはきっと同じではない

言葉には、意味を作り、思考を形作り、感情を呼び起こす力がある
言葉を生み出すことは、物事の状態を修正すること
世界を操作する こと、世界を修復不可能なまでに変容させること
私たちが世界に存在することの本質的な側面
世界と出会い、それを理解するための媒介
私たちが世界を開示し、世界に介入する力

歩く書く
暗い部屋に突然詰め込まれ
ここはどこかと手探りで触るように都市を徘徊し書を残す

児嶋啓多

 
 


 
 
児嶋啓多のアートのために
 
後藤繁雄(京都芸術大学教授)

 

未来から振り返った時に、2010年代後半は、時空を越えようとする衝動の起点として語られることになるだろう。
2015年には、ストックホルム近代美術館のキュレーターであるダニエル・バーンバウムは、「私の夢は、新しい芸術の形を発見すること」と明言し、館長を辞めて、アーティストと協力してARやVR作品、つまり拡張現実や仮想現実の作品を制作する新会社Acute Artに専念しはじめた。バーンバウムはアートワールドの最重要キーマンの一人であり、衝撃が走った。オラファー・エリアソン 、マリーナ・アブラモヴィチ、ジェフ・クーンズ、カオ・フェイそしてKAWSなど、そうそうたるアーティストが参加している。また、2016年に写真家/アーティストのルーカス・ブレイロックは、バーチャル・スペースの境界をシフトさせるAugmented Reality(拡張現実)の作品集『MAKING MEMERIES by Lucas Blalock』を発表し、Tate Modernで開催されたアートブックフェアでは、そのインスタレーションを発表した(同じイベントで小林健太もヴァーチャルドローイングを披露した)。また、VRのパイオニアのジャロン・ラニアーがその自伝『万物創造を始めようDawn of the New Everything: Encounters with Reality and Virtual Reality』を発表したのは2017年のことだ。彼はVRとAIについての予見に満ちたヴィジョンを発表した。そんな「衝動」と並行して起こったのが、誰も予期しなかった地球規模でのコロナ禍であった。変成し続けるウィルスは、全てのリアルワールドでの人間の活動を停止させ、しかしそれにより、逆に、オンラインでの可能性を加速させたのであった。
 
児嶋啓多がAR作品の発表を本格化したのは、全ての都市から人影が消えた、このタイミングにあたる。2020年、児嶋啓多の実質的なデビュー作品集『Augmented/Words in the City』は、基本的にARのドキュメントであり、かつポストフォト作品集であった。そこには、児嶋が東京をめぐり収集したwords、都市の時空へのカリグラフィーとしてのドローイングが収録されるだけでなく、アプリをダウンロードして、携帯を片手に渋谷の街の指示された場所で風景を撮影すれば、その宙に、 児嶋が「拾った」 コトバが仮想の3Dオブジェクトとなって出現する(渋谷や原宿など)ガイドマップも制作されていた。これらは、今回2024年に『ネオ東京』のタイトルのもとに恵比寿のナディッフでの個展に出品される作品群の起点にもなる重要性を持つ。児嶋は、都市をただリサーチし作品化するにとどまらず、観測者、観客含めてダンスするかのように、流体の表現へ向かおうとトライし続けているからだ。いまだに、多くの写真家が、写真の「メタ思考」すらできず、古い視覚プレイに留まり、デジタル写真がメタバースの入り口にあることにすら気づいていない中で、児嶋のなんとラディカルなことだろうか。
 
バーンバウムとともにAcute Artのプロジェクトに参加したアニッシュ・カプーアのコトバを思い出す。2018年に、カプーアは彼にとって初めてとなるVR 作品『into yourself, Fall』を発表した。これは、ゴーグルをつけた観客が体内に落下していく体験をする作品だった。カプーアはインタビューでこう言ったのだ。

「私はテクノロジーがどのように人間の認識を変え、それを開くかにつねに興味を持ってきた。それは、新しい見方、感じ方、考え方につながる。誰が知る? 時が告げるだろう(Who knows? Time will tell) 」
 
そう、児嶋啓多のクリエイションの重要性もまた、カプーアが言うように、時が証明して行くことになるだろう!
 
 


 
 

作品集詳細
 
ネオ東京 徘徊と書|Neo Tokyo Walk and Write

 

  • neotokyo_01_wide

    neotokyo_01_wide
  • neotokyo_02_wide

    neotokyo_02_wide
  • neotokyo_03_wide

    neotokyo_03_wide
  • neotokyo_04_wide

    neotokyo_04_wide
  • neotokyo_05_wide

    neotokyo_05_wide
  • neotokyo_06_wide

    neotokyo_06_wide
  • neotokyo_07_wide

    neotokyo_07_wide

 

発行年: 2023年11月
著 者: 児嶋啓多
仕 様:310mm x 236mm/198頁/ソフトカバー
価 格;16,500円(税込)
 
 


 
 

作品の販売について

 
 
NADiff a/p/a/r/t 店頭とアートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」にて販売します。
※作品はプレセールスの状況により会期開始前に販売が終了することがあります。
 
店頭販売開始日|2024年5⽉16⽇(木)12:00
OIL by 美術⼿帖 販売開始⽇|2024年5⽉21⽇(火)13:00
URL|https://oil.bijutsutecho.com/
 
 


 
 

作家プロフィール

 

児嶋啓多|Keita Kojima


 
1985年兵庫生まれ。東京都在住 
都市へのつぶやきや問いを彫刻にし、東京・渋谷を舞台に、ヴァーチャルに出現する言葉のモニュメントを街に設置したAR作品『Augmented/Words in the City』。言葉が人間になったキャラクター『The Word is Human』など、拡張現実(AR)を用いて都市と書、言葉と人の関係性をテーマに作品を発表。 

主な展覧会
2023 「YURAKUCHO ART SIGHT PROJECT Vol.4 #1」
2023 「100 WINDOWS by TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH 2023」
2022 「むいみなのだ」(NACC (日本橋アナーキー文化センター)、東京)
2022 「RAYS from the FUTURE」(StART Art Fair Seoul、ソウル)
2022 「Private House 生きられた家」(個人宅)
2021 「Mirrors And Windows」(銀座奥野ビル、東京)
2021「FISSION(分裂) and FUSION(融合) − POST/PHOTOGRAPHY 2011-21 3.11から10年目の、写真の今と未来」(銀座奥野ビル、東京)
2020 「Augmented / Words in the City」(Meets by NADiff Wall Gallery、東京)

Instagram
 
 

 
 



 
 

●お問い合わせ

ap_logo
NADiff a/p/a/r/t
150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 1F
TEL. 03-3446-4977
>>> shop info