オル太「ヘビの渦」

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オル太は、日本の古来より伝わる伝統的な風習、原風景から現代のサブカルチャーまで、風土に染み付いた感性と記憶にインスパイアされた、巨大な彫刻やインスタレーション、集団による肉体表現などを展開し、2011年岡本太郎現代芸術賞 (岡本太郎賞) の受賞をはじめ、国内外での展覧会、滞在制作のプログラム等にも数多く参加するなど、近年注目を集めるアーティスト・コレクティヴです。2013年にオル太が参加した金沢21世紀美術館での展覧会「内臓感覚ー遠クテ近イ生ノ声」では、古代からの生命、記憶、リズムの連なりを想起させるインスタレーション「オルガネラ」を発表し、臓器、血肉の造形を成す野外彫刻と共にパフォーマンスを繰り広げました。また、2014年のドイツでの滞在制作「GHOST OF MODERN」では、ベルリンからクラコフ、アウシュヴィッツ、ビルケナウ、チェルノブイリ、キエフを舞台に、亡霊の姿を纏ったオル太が各地を彷徨い移動しながら、「住むべき場所を見失った今、私達はどこへ向かわなければいけないのだろう」という亡霊の声によって、近代化の過程でイデオロギーの犠牲となった出来事を浮かび上がらせるパフォーマンスを行うなど、彫刻という造形要素と、肉体を使ったパフォーマンスの双方によって有機的な総体としての作品を生み出しています。

本展では、都市に生きる人間存在の危うさを象徴すべく、社会においての〈思考停止〉や〈機能不全〉に陥った状態を〈脳死した都市〉として形象化したインスタレーション作品を発表いたします。都市という幻想、人間の精神/身体の在り方が、オル太による彫刻表現によって炙り出されるでしょう。会期中には、1960年代から1970年代初頭にかけて活動した過激な最左派・前衛芸術集団、アート・テロリスト〈ゼロ次元〉の加藤好弘氏を迎え、オル太とのトークセッションを行います。

第7回恵比寿映像祭 地域連携プログラム参加展示 協力: nap gallery



Artist Statement

とぐろを巻くヘビの輪はモグラの巣穴よりもはるかに複雑にできているのである。
Les anneaux d’un serpent sont encore plus compliqués que les trous d’une taupinière.
────“L’Autre Journal”n°l, mai 1990, Gilles Deleuze/ジル・ドゥルーズ

ドゥルーズは管理社会の動物をヘビとした。
電気や医療のメディアが、社会の身体として拡散を担ってきた。
しかし、自然の渦が出来る時、監獄は崩壊する
────オル太



●EVENT



トークイベント
日時:2015年2月28日[土] 18:00 – 20:00
出演:加藤好弘(ゼロ次元) × オル太
場所:NADiff a/p/a/r/t 店内 にて
入場無料(予約不要)
※30名様以降は立見となりますのでご了承ください。

※イベントは終了いたしました



●関連商品



オル太『オルガネラブック』
olta
サイズ:195×247mm
頁 数:56頁(オールカラー)、ソフトカバー
言 語:和(一部英訳あり)
発行者:オル太
執 筆:オル太、吉岡恵美子、川岸真由子、橋本梓、小形幸、O JUN、齋藤雅宏
撮 影:安齊重男、本城直季、豊永政史
価 格:2,000円+税

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●Profile



オル太 OLTA
オル太は1983年~1988年生まれの7名からなるアーティスト・コレクティブで、2009年に結成した。メンバーは、井上徹、梅田豪介、川村和秀、斉藤隆文、長谷川義朗、メグ忍者、Jang-Chi。オル太の主な個展やグループ展に、「Distant Observations Fukushima in Berlin」(2014年、クンストラウムクロイツベルク/ベタニエン) や「内臓感覚ー遠クテ近イ生ノ声」(2013年、金沢21世紀美 術館)、「つちくれの精霊」 (2011年、NHK横浜放送局/KAAT アトリウム) などがある。近年は、ベルリン (クンストラウムクロイツベルク/ベタニエン) や韓国 (SeMA Nanji Residency) のレジデンスにて滞在制作を行い、作品を発表した。
主な受賞歴に第14回岡本太郎現代芸術賞、岡本太郎賞 (川崎市岡本太郎美術館)、第4回展覧会企画公募入選 (トーキョーワンダーサイト本郷) がある。