松蔭プロジェクト2002

「イヴ・レッドキャップ・クライン」松蔭浩之

2002年1月31日[金] → 3月10日[日]

『 YVES RED CAP KLEIN 』は、松蔭浩之によって仕組まれた《イヴ・クライン》の架空のコレクション展です。物質を特別な存在に変えてしまう、インターナショナル・クライン・ブルー（ＩＫＢ）に、松蔭は、今という時代のリアルを挿入します。ＩＫＢに秘められた、スノビズムあるいはダンディズムに、巧みに組み込まれた松蔭の“レッドキャップ”は、見る者に知的快感を与えることでしょう。

＜スペシャル・トーク＞
Part 1「俺を驚かせた男」2月1日（金）午後６時 〜
ホスト：松蔭浩之（アーティスト）
ゲスト：宇川直宏（メディアレイピスト）、中原昌也（作家／ミュージシャン）
Part 2「イヴ・クライン考／マツカゲ考」2月22日（金）午後６時 〜
ホスト：松蔭浩之
ゲスト：楠見清（BT／美術手帖編集長）、MOTOKO（写真家）

■「 YVES RED CAP KLEIN 」とは
「モノクローム絵画」の先駆者であり、物質と表現の錬金術師といわれたヌーボー・レアリスムの旗手《イヴ・クライン》。彼は「ル・ヴィッド／空虚」をテーマとした一連のパフォーマンスでスキャンダラスな話題を撒き散らし、無謀ともいえる企ての半ば、わずか34歳にして生涯を閉じました。学生時代の松蔭浩之にとって《イヴ・クライン》は、超スター的な別格の存在でした。とするならば、かつて「コンプレッソ・プラスティコ」で見せた『LOVE AND GOLD』の刺激的アプローチの根幹には、《イヴ・クライン》を標榜するDNAが組み込まれていたに違いありません。「現実への新しい知覚的アプローチ」を宣言したヌーヴォー・リアリスト達にシンパシーを抱き、《イヴ・クライン》に共振する松蔭浩之ですが、インターナショナル・クライン・ブルー（ＩＫＢ）に投げかける眼ざしには、愛憎が相半ばします。背後には、伊達男ぶりを披露して人々の関心を集め、活動の絶頂期に急逝した《クライン》への憧憬と嫉妬が同居します。スノッブな冷たさを放つＩＫＢへの敬意と憎悪を込めて、松蔭は、“ダサイ＝駄目男”を象徴する“レッドキャップ”を《イヴ・クライン》に挿入しました。『 YVES REDCAP KLEIN 』は《イヴ・クライン》にあらず、《クライン》のパロディでもありえない。松蔭が差し出した『 YVES RED CAP KLEIN 』は、《クライン》が決して創らなかったであろう作品『 YVES RED CAP KLEIN 』のコレクション展といえるでしょう。

松蔭 浩之　HIROYUKI MATSUKAGE
1965年　福岡県生まれ
1988年　大阪芸術大学写真学科卒業
1987年　アートユニット“コンプレッソ・プラスティコ”結成
1992年　休止宣言
＜コンプレッソ・プラスティコの主な活動＞
1989年 「メタリズム」スパイラル・ガーデン／東京
1990年 「ヴェネツィア・ビエンナーレ アペルト'90」（イタリア）に史上最年少 作家として出展
1991年 「日本の現代美術−ゾーンズ・オブ・ラブ」東京、オーストラリア、 ニュージーランドを巡回「ジャパン・フェスティバル'91」オールドライブラリーギャラリー／カーディフ（イギリス）ほか国内外での展覧会多数参加
＜ソロでの主な展覧会、活動＞
1992年　個展「スーパーエロス・ハイパーヴィーナス」細見画廊／東京
1993年　個展「ザ・セッティング・サン〜斜陽」細見画廊／東京「ブレダ・フォトグラフィカ'93」国際写真フェスティバル／ブレダ（オランダ）
1994年 「１０年前」なすび画廊個展「ザ・セッティング・サン〜斜陽ツアー」リーセントギャラリー／札幌、モマコンテンポラリー・ウェアハウス／福岡「MATSUKAGE LIVE ON ISLAND」ソラリアプラザ・ゼファ／福岡
1995年　個展「マイ・ライフ」レントゲン藝術研究所／東京　三人展「モルフェ95 - 亀裂」ミヅマアートギャラリー／東京
1996年　二人展「眼差しと視線2」ミヅマアートギャラリー／東京「昭和40年会」シナプス面廊／東京「フィロテック展」PIO／東京「マイ・フェイバリット・シングス」NECデジタルアートギャラリー／大阪
1997年　宇治野宗輝とエンタテインメント・アート・ユニット「ゴージャラス」を 結成　個展「MATSUKAGE WORKS」ギャラリー・ソープ／北九州「TAKE0コミュニケーションデザイン1998」（ゴージャラスで参加）スパイラル／東京「TOKYO ELEGANCE」（ゴージャラスも参加）リーセント美術館／札幌二人展「美人画　会田誠vs松蔭浩之」ミヅマアートギャラリー／東京「昭和40年会 - 東京からの声」GMB バルセロナ／バルセロナ（スペイン）
1998年 「昭和40年会 - 東京からの声」ギャラリー・エスパース．フロン／ローザ ンヌ（スイス）ACCギャラリー／ワイマール（ドイツ）
1999年 「コラボレーション」（ゴージャラスとして出演）　福島県立美術館／福 島「昭和40年会 - 東京からの声」現代美術製作所／東京「昭和40年会 - 晴れたり曇ったり」ナディッフ／東京
2000年　個展　Canvas International Art／アムステルダム（オランダ）個展「Star」ミヅマアートギャラリー／東京　個展「The girl U want!」Voices from JAPAN, CBK Leiden／ライデン（オランダ）個展「1965-2000　FOREVER」三菱地所アルティアム／福岡「THE J-WAY」（ゴージャラスも参加） Lydmar Hotel／ストックホルム（スウェーデン）
2001年 「S(h)itting in the mirror - オレにはオレがこう見える」ミヅマアートギャ ラリー／東京　個展「Star」ARCO 2001内ミヅマアートギャラリーのブース／マドリッド（スペイン）「TOKYO LIFE」Selflidge／ロンドン（イギリス）「JAM」（ゴージャラスで参加） Barbican art gallery／ロンドン（イギリス）「Amsterdam Art Fair 2001」Canvas International Artのブースに参加／アムステルダム（オランダ） 「Big in Japan」Cambridge Gallery／トロント（カナダ）